ここ一年くらいの僕のライブを観ていただいた方にはわかると思いますが、「ボートレース」ひと昔前には「競艇」と呼ばれていた公営ギャンブルが存在していまして、そのボートレースにまんまとハマった愚か者が一人おりまして…鈴木柊平(29歳)破滅への道のり。
遡ること2021年9月29日。雲一つない東京の空の下、オヤジと慕った飲み屋のマスターの火葬を終えた昼下がり。同じく火葬に参加していた”ふじいさん”の車に途中から合流した”ハセ”と三人で向かったのは行ったことは勿論ないし全く興味がない「多摩川ボートレース場」
車内ではボートレースのボの字も知らない僕とハセに
「ちょっとだけ説明していい?まず、ボートレースは6人でレースを行います。内側から1号艇2号艇・・・1番外側に6号艇。で、内側であればあるほど有利なの」とふじいさんが言うので
「じゃあ全部123で買えばいいじゃないですか」
と興味なさげに言うと
「そんな単純なわけでもなくて、選手にはランクっていうのがあって上からA1、A2その下にB1、B2って4つのランクに分かれているから」
「じゃあA1だけ買えばいいじゃないですか」
「ところがそうでもなくて内側が得意な選手もいれば外側が得意な選手もいて、あっスタートってうのが…」と興味ない話がどんどん続くので
「もう、競艇場着いて見てからでいいですか?」と話を切り上げて電気代やらガス代の雑談に花を咲かせているうちに夢の国”多摩川ボートレース場”に到着したのでした。
入場し、行きつけ飲み屋の定連さんのコネを使いエレベーターで特別観覧席に行くと2種類の予想紙がテーブルに置かれていて見方を教えてもらいました。F1はフライング1回してるとかST(スタートタイム)は少ない方が良いとか勝率は高い方が良いなんて説明を受けてるともの凄く気になる選手が。そうです。”毒島誠”です。
G1と呼ばれるスター選手が集まる大会でなぜか毒島だけを目で追ってしまう。僕が毒島誠のファンになるのに時間は掛かりませんでした。
折角良い席を用意していただいたのに近くで観たいと外に飛び出し芝生に寝そべったり走り回ったり。何よりレースの迫力がすごいのなんの。水飛沫にエンジンの音、ターンの時の立ち姿(モンキーターンと呼ばれるお猿さんが立った時のような姿勢)に大感動。こんなに楽しい世界を今まで知らなかったことが悔やまれますが大満足でボートレースデビューを迎えたのでした。結果は3,600円のマイナスです。
ボートレースはどこかのレース場で毎日開催されているのでインターネットで調べては予想を立てて毎日チェックする日々が始まりました。初めは予想するだけで済んでいたのでしたがついにネット投票を開設してしまい100円だけが400円だけに400円だけが600円だけに、1レースだけが3レースだけに3レースが12レースに。勝っては負け負けては負けを繰り返すこと約一年半。
最初の頃は回収率80%代を維持していたものの今年に入っての四ヶ月はもう目も当てられないほどに。お金がたまらない理由がはっきりとわかりました。なので僕をボートレースにハメた元凶でもあるふじいさんに連絡を「ボートでとんでもないことになってます」するとふじいさんから「良いアプリあるよ」と。
“脳内競艇”このアプリは実際のレースで予算を決めてシュミレーション出来るアプリでこれがなかなか面白いもので。ただ実際のお金は使っていないので増えることもなく減ることもなく、お金が増える喜びで競艇をやっている方にとっては面白くないと思います。なのでこのアプリは本当に競艇が好きな人しか続けられないんだなぁと思いつつ、今日も”脳内競艇”で毒島に賭けるのでした。
ちゃんとお金を貯めて、多摩川で毒島にマン張り出来る日を夢見て。